かつて釣り番組の製作に手を貸した時の話。釣りのプロは大変。結局NGだったのかも不明その11。ラスト

こんにちは。

最近、すっかりブログの更新を怠っている。
先週の三連休以来の更新なのである。

先週はちょうど営業の仮〆切であったこともあり、バタバタなのであった。
「時間が無い」「心の余裕が無い」ついでに「ネタも無い」ということで更新ができなかったというところなのである。

一応、そのバタバタも25日には終わり、やっとブログのことを思い出したのであるが「ネタも無い」という状況は未だ続いており、致し方なく?「シリーズもの?」を書いて再開させてみたりするわけなのである。

『かつて釣り番組の製作に手を貸した時の話。釣りのプロは大変。結局NGだったのかも不明』
これももう11回目。そろそろラストとしたいところだ。

前回はコチラ↓
http://94432163.at.webry.info/201003/article_13.html

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Bさんに促され、オレは竿に近づいた。
不規則に揺れる竿先はハリの先からの生態反応を伝えていたが、とても弱弱しいものであった。
まさに「アナゴ」のアタリのようであり、その状態が3分あまり続いていた。
「アナゴかな・・・」一応撮影は再開され、オレのつぶやきはマイクで拾われた。

それまで釣っていた大きな前アタリの次に竿先を押さえ込む「ドチザメ」のそれとは明らかに違っていた。

夜間その場所に何度も入ったことはなかったが、当日オレが投げている方向でアナゴを釣ったことはなかった。
オレは一縷の望みを託し、リールのドラグを締めた。そして大きく合わせを入れた。

よく夜カレイなどをやっていて「アナゴだろうなぁ」とか「ハゼだろうなぁ」と言うアタリがあっても「もしかしてカレイかも・・・」と思って合せることがある。そして上がってくるのはやはり「アナゴ」だったり「ハゼ」だったりするのである。こういうことは「ウミタナゴ」「ハオコゼ」「ゴンズイ」「ドンコ」「ベラ」などでも同じで“予想を裏切る”ことは決してないのである。寧ろ「絶対にアイナメ・・・」と思ってやりとりまでしてタモで掬ってみたら「アカメフグ」という“最後の最後にがっかり”という予想の裏切り方はある。

アタリでだいたいの魚がわかるのは果たして良いことなのか?と思うのである。

ただ、この日は違った。オレは合せ切る途中で何か大物が乗った予感がした。合わせ切るとヤツはいきなり反転し水中を横走りした。オレは根に向かって走る魚を強引にコッチに向かせるために竿を倒しながらゴリ巻きして言った「来ました、クロです。」

撮影現場に緊張が走った。
オレは「ここでバラしたらおしまい・・・」と思ったが、「慎重になるとやられる」とも感じていた。
とにかく沖の根に持ち込まれるのだけは避けた。そして、更に魚の頭をオレから見て右の方向にしようとした。
オレは「申し訳ありませんが、取り込みは右でやりますので・・・」と言いかけるとAさんは「わかった」と言って「みんなで仕掛回収!」と言ってBさん、iちゃん、そしてNにも手伝わせて他の竿の仕掛を回収させた。

オレが何をしたかったかと言うと1色半から2色にある「高根」を避けたかったのである。そしてなるべく沖で魚を浮かせたかった。撮影中の緊張とは違った緊張はかえってオレの頭の中を冷静にさせていた。きちんと沖で疲れてくれたクロダイは最後の抵抗を見せることもなく、最後は単なる「重い物体」となってAさんの構える玉網に納まった。
40㎝を少し超える「投げのクロダイ」としては“平型”であった。

オレの経験上、そしていろいろな方も最近は言われている通り「ドチザメの付く場所はクロダイもいる。」その時をオレは待っていたのであった。オレはオレなりに満足のいく1匹なのであった。

Aさん、Bさん、iちゃんが拍手と握手で祝福してくれた。
ただ、ブツ持ちシーンはその随分後に撮影された。
なぜならオレの膝はがくがくと笑ってしまい、その場にヘタリこんでしまったからである。
そして「すみません、おしっこしてきます。」極度の緊張がそうさせたに違いないのである。一同大笑いであった。

「ブツ持ちシーン」なんかを撮影したあとNが近寄ってきた。
「神戸ちゃん・・・あのヘタリこんだシーン、最高よ。もう、まさにドシロウト。『おしっこしてきます』の言葉もしっかりカメラに収まっているからねぇ。」
「もうなんでもいいよ。とりあえずオマエのストーリーにはなったろ?」

Nが戻ったあとAさんがオレに囁いた。「ヘタリこんだのはドシロウトに見えるかもしれないけど、あの取り込み見たら相当経験があることは見る人が見ればわかってしまいますね。」と。
オレはひたすら恐縮した。

その後も何匹か魚は釣れた。そしてオレにはもう一枚クロダイが釣れた。

オレは一枚釣ったあとはもう「釣り」はどうでもよくなっていた。
名人たちと談笑をするのが・・・とても楽しかった。オレは年間釣行回数以外にもうひとつだけ聞いてみたかったことがあった。とても失礼な話なのだが、どうしても聞いてみたかったのである。

「あの・・・年収ってどれくらいなのでしょうか?」
Bさんはにっこりと笑って言った。
「釣りに関する収入?詳しくは言えないけど300万円台だね。」

オレは再び愕然とした。いや、年間釣行回数を聞いたときの倍くらい驚いた。
「そ、それって完全に経費倒れですよね・・・。」と聞くとBさんは「Aさんもそうだけど地元で釣具店をやっていて、まぁ、それでも苦しいけど何とかやれているって感じかな。」と柔和な顔で答えてくれた。そして「釣りだけで食えている人なんてほんの一握りだけだよ。」とも。
「本当に好きじゃないと・・・できませんね。」オレは年収のことについて質問したことをやや後悔した。

どんな世界でもそうなのであろうが、プロの世界は本当に厳しいと痛感したのである。

日の出のシーンを撮り、撮影は終わった。
一同、笑顔で別れた。
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その数日後、宅配便が届いた。Nからのものであった。
中には「編集前」のビデオが入っていた。
そして一通の手紙が・・・。
「神戸ちゃん、この前はありがとう。謝礼をしないといけないんだけど、まず番組化できるかどうかわからないから。もしできたとしてもiちゃんや名人たちへの上乗せのギャラとかの経費を引いてから考えないといけないから・・・あまり大きな期待はしないでください。」みたいなことが書かれていた。

オレはすぐさまNに電話をした。案の定、留守電だった。「ふざけんな」と言いたかったわけではない「謝礼なんていいから。オレはシロウトなんだし。受け取れないよ」とだけ入れておいた。

その後Nからの連絡は途絶えた。ただ、年賀状だけは来る。何のコメントもない無愛想な年賀状だが。

名人お二人のお店にはその後何度か寄らせてもらった。ご本人たちにはお会いできないでいるが・・・。雑誌に書かれているのを見たこともある。
iちゃんに関しては・・・その後端役でもテレビで見ることもない・・・。

そして、その撮影が番組化されたのかどうかすら不明なのであった。
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昨年の秋、オレの携帯が鳴った。
Nからであった。
「神戸ちゃん、チョー久しぶりぃ。札幌にいるんだってね。ブログ見てるよぉ。」
そういや、年賀状にブログのこと書いたかな。
Nはその後、その会社を辞め、同じように番組制作をしている会社に入ったと言う。時々テレビなんかでも名前を見る会社だ。そしてNが手がけた番組をオレが見たりしていた。それを聞いたときは少し嬉しかった。
いいかげんなヤツだが、やはりヤツとてプロなわけである。そして夢を追い求めている。ある意味、羨ましい。

そして・・・結婚もした、と言う。
オレが「その相手って・・・」と聞くと「そうなんだよ、あの時の子。」と・・・それは良かった。子供も二人できたと言う。
本当にいいかげんなヤツ、ではないのかもしれない。

「あのさぁ、今の会社でオレも力つけたからぁ、釣り番組でも作っちゃおうかなぁ・・・なんて考えているんだよ。何か企画考えておいてね。実現したら企画とともに出演依頼しちゃうからさ。」と言っていた。

オレは「もういいよ。もうあんな思いは二度としたくない・・・」と言って電話を切った。
そしてまた「アレは番組化されたのか?」と聞くのを忘れた。

「もういいよ」とは言いながらも・・・2月の終わりにヤツの目に留まらないかと思って、バカなことをしてブログにしてみた。http://94432163.at.webry.info/201002/article_19.html

ヤツからの電話はない。企画的に地味すぎたかな(笑)。

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この記事へのコメント

ボナ
2010年03月28日 15:27
Nさんもいいヒトではないですか、iさんと結婚したのは、その証しですね。北海道編が始まったりして。
hige
2010年03月30日 12:18
ハッピーエンドで良かったです。Nさんに一度お会いして、”軽いノリ”を目の当たりにしてみたい気もします。
長編完結、ありがとうございました。

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